【日本酒レビュー】手取川 脈 -Pink-:石川の最高峰酒米「百万石乃白」が紡ぐ、ジューシーで可憐な新境地


石川県で1870年から続く歴史を持ちながら、近年は環境に配慮したサステナブルな酒造りや、モダンな酸の表現で全国のファンを魅了する吉田酒造店

本作「脈」は、蔵がこれまで得意としてきた山廃造りで醸した純米大吟醸の限定酒です。「宴の席の隅々にまで養分が広がるように、このお酒の口いっぱいに味わいが広がりますように」という願いが込められたこのボトル。ピンクの幾何学模様が並ぶ洗練されたラベルそのままに、愛らしくも端正な世界観を表現しています。


🍶 テイスティング:丸みのある口当たりと、知的な柑橘のニュアンス

大吟醸スペックの綺麗な透明感の中に、手取川らしいナチュラルなエキス分が生き生きと躍動しています。

  • ファーストインパクト
    口に含んだ瞬間の印象は、非常に優しく丸い口当たり。トゲのない滑らかなテクスチャーが、スッと舌の上に馴染みます。
  • フレーバー
    中盤から顔を出すのは、みずみずしい柑橘感。すっきりとした和柑橘を思わせるフレーバーに、生乳のようなまろやかさが重なり、味わいは非常にジューシーです。
  • フィニッシュ
    後半は、山廃由来の微かな酸味が味わいに立体感をもたらし、最後は綺麗に抜ける苦味の余韻へとバトンを渡します。加水を行わない15度の「原酒」でありながら重さは一切なく、美しく端正なキレ味を見せてくれます。

📝 スペック詳細

項目内容
銘柄手取川 純米大吟醸 脈 -Pink-
蔵元吉田酒造店(石川県白山市)
原料米石川県産 百万石乃白 100%
精米歩合40%
アルコール度数15度(原酒)
原材料米(石川県産)、米麹(石川県産米)
仕様山廃仕込み・無添加(すもものように可愛らしい酸味が特徴)

💡 ここが凄い!深掘りポイント

1. 石川県のプレミアム酒米「百万石乃白」のポテンシャル

石川県が11年の歳月をかけて開発した大吟醸用の酒米「百万石乃白(ひゃくまんごくのしろ)」。高精米に耐えうるこの米を贅沢に40%まで磨き上げることで、雑味を極限まで削ぎ落とし、テイスティングメモにある「丸い口当たり」と「クリスタルな透明感」を引き出しています。

2. 新世代の「山廃仕込み」による絶妙な酸

裏ラベルにも「すもものように可愛らしい酸味が特徴」とある通り、伝統的な山廃造りを現代的なセンスで再解釈。一般的な山廃のような重厚でドッシリとした骨格ではなく、白身魚やモダンな洋食にそっと寄り添うような、軽快で可憐な酸のコントロールが光ります。

3. 自然へのリスペクト。すっぴんの美しさ

酵母の栄養剤や酵素剤などの表示義務のない添加物を一切使用せず、純粋なお米と水の力だけで醸された一本。吉田酒造店が目指す「手取り川の流れる瑞々しい里山」を、そのままボトルに写し取ったようなピュアなエネルギーが満ちています。


🍴 おすすめペアリング:お酒の「丸み」と料理の「コク」を合わせる

綺麗な柑橘感と上品な苦味の余韻には、淡白でありながらも旨味が詰まった一皿が映えます。

  • ズワイガニのあんかけ豆腐
    カニの繊細な甘みとお酒の「丸い口当たり」が優しく同調し、出汁の旨味を酸が引き立てます。
  • 白身魚のカルパッチョ(ディルと塩レモン)
    お酒の持つ瑞々しい柑橘感とレモンの酸が爽快にリンクします。
  • ブッラータチーズと桃(または洋梨)のサラダ
    チーズのクリーミーなコクが、山廃由来の上品な酸味と合わさることで、さらにリッチな味わいへと昇華します。

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