【日本酒レビュー】来福 ネモフィラ花酵母:初夏の青空に抜ける、ジューシーな柑橘感と強烈なキレ

茨城県の豊かな自然の中で、伝統を守りつつも常に革新的な挑戦を続ける来福酒造

「福が来る」という縁起の良い名を持つこの蔵は、お米の個性を引き出すだけでなく、自然界の花から採取した「花酵母(はなこうぼ)」の先駆者としても世界的に知られています。

本作は、国営ひたち海浜公園の丘を青く染めることで有名な「ネモフィラ」の花から分離した天然酵母を使用。地元・茨城県産の酒米を60%まで磨き上げ、一切の加熱処理を行わない「生酒」のまま瓶詰めされた季節限定の逸品です。

🍶 テイスティング:芳醇な甘酸っぱさから、鮮烈なビターフィニッシュへ

可憐な花のイメージを心地よく裏切る、非常にメリハリの利いたエネルギッシュな味わいをレポートします。

  • ファーストインパクト口に含んだ瞬間、生酒らしい瑞々しさと同時に、芳醇な酸味と甘味がリッチに広がります。花酵母由来の華やかでどこかイノセントなニュアンスが、味覚を一気にキャッチします。
  • フレーバー中盤から鮮やかに立ち上がるのは、もぎたてのレモンやグレープフルーツを思わせる柑橘感。お米のふくよかな旨味を爽快な酸がコーティングし、非常にジューシーな表情を見せます。
  • フィニッシュ後半は一転して、非常に引き締まった強めの苦味の余韻と、15度のしっかりとしたアルコール感が力強く押し寄せます。前半の甘酸っぱさを爽快なビター感が見事に断ち切り、後味は驚くほどサッパリスッキリ。この見事な緩急のバランスに、杯を進める手が止まらなくなります。

📝 スペック詳細

項目内容
銘柄来福 特別純米酒 ネモフィラ花酵母使用 Baby Blue Eyes 生酒
蔵元来福酒造(茨城県筑西市)
原料米茨城県産米 100%
精米歩合60%
使用酵母ネモフィラ花酵母
アルコール度数15度
原材料米(国産)、米麹(国産米)
製造年月2026.4

💡 ここが凄い!深掘りポイント

1. 日本酒界のロマン「ネモフィラ花酵母」の実力

来福酒造の最大の強みは、アベリアやナデシコ、ひまわりなど様々な「花酵母」を操る技術力です。茨城の象徴でもあるネモフィラから育まれたこの酵母は、テイスティングで感じた「爽快な酸味と、凛とした潔いキレ」を生み出す特性があり、まさに茨城のテロワールを表現するにふさわしい仕上がりとなっています。

2. 地産地消へのリスペクト

裏ラベルにある通り、原料米には茨城県産米を100%使用。60%精米の「特別純米」というスペックを選ぶことで、大吟醸のような線の細さではなく、お米本来の持つ力強いコクやボディ感をしっかりと残しています。これが、後半の骨太な苦味やアルコール感の心地よさに繋がっています。

3. 「Baby Blue Eyes」が描く初夏の風景

ネモフィラの英名である「Baby Blue Eyes」が刻まれたクリアブルーのボトルと、散りばめられた青い花のデザイン。視覚的な涼やかさと、飲んだ瞬間のサッパリスッキリとした清涼感が完璧にリンクしており、初夏の青空の下で冷やして飲むのにこれ以上ない季節感を演出しています。

🍴 おすすめペアリング:苦味と酸味を肉や油で開花させる

しっかりとした酸味と強めの苦味の余韻があるため、少し油分のある料理や、初夏の食材と抜群の相性を見せます。

  • 鮎(アユ)の塩焼き川魚の持つ独特のほろ苦さに、お酒のフィニッシュの苦味が完璧に同調(マリアージュ)します。
  • 豚しゃぶサラダ(梅しそドレッシング)豚肉の甘みを鋭い酸が引き立て、梅の酸味とお酒の柑橘感が爽やかにリンクします。
  • 山菜の天ぷら(塩で)天ぷらの油分をお酒のアルコール感と酸がスッキリと洗い流し、山菜のほろ苦さがお酒のビターな余韻をさらに美しく際立たせます。

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