【日本酒レビュー】三芳菊 新酒しぼりたて 2023:山田錦が描く、完熟りんごの官能とキレ

徳島県が誇る「異端にして正統」、三芳菊酒造

等身大のキャラクターや幻想的なイラストが描かれたラベルは、いまやこの蔵のアイデンティティです。本作は、酒米の王「山田錦」を100%使用した特別純米の新酒。冬の澄んだ空気の中で搾られた、生命力あふれる一献を紐解きます。


テイスティング:甘美な誘惑と、鮮やかな「りんご感」

三芳菊を一口飲むことは、まるで完熟した果実の雫を味わうような体験です。

  • ファーストインパクト口に含んだ瞬間、三芳菊の真骨頂である甘い口当たりが広がります。それはお米の甘みを超え、まるで蜂蜜やフルーツシロップのような濃厚な多幸感を伴います。
  • フレーバーそこから一気に弾けるのは、蜜が溢れ出す完熟りんごのような果実味。しぼりたて新酒ならではのフレッシュさが、山田錦の旨味をフルーティーに昇華させています。
  • フィニッシュ後半は、心地よい苦味の余韻。このビターな引き際が、前半の強い甘味を綺麗に整えます。15度のしっかりとしたアルコール感がキレを演出。甘美な記憶を残しつつ、潔く喉を滑り落ちていきます。

スペック詳細

項目内容
銘柄三芳菊(みよしきく)新酒しぼりたて 2023
蔵元三芳菊酒造(徳島県三好市)
特定名称特別純米酒
原料米山田錦 100%
精米歩合60%
アルコール度数15度
原材料米(国産)、米麹(国産米)

ここが凄い!深掘りポイント

1. 「徳島酵母」が織りなす唯一無二の芳醇さ

三芳菊の最大の特徴は、バナナやパイン、そしてりんごを思わせるトロピカルな香りです。徳島県独自の酵母を駆使し、糖分をしっかり残しながら発酵をコントロールする技術が、この「りんご感」溢れる甘酸っぱい世界観を作り出しています。

2. 山田錦のイメージを覆す、自由な表現

一般的に「山田錦」といえば品格のある端正な酒質になりがちですが、三芳菊は違います。米の力をすべて「果実味」へと全振りしたような設計は、まさに「ワイルドサイド」を突き進む蔵の誇りを感じさせます。

3. 2023BY。一期一会のラベルアート

ラベルデザインは、まるで一冊の絵本やゲームのワンシーンのよう。視覚から入る先入観と、飲んだ瞬間の「フルーティーさ」という驚き。2023BY(酒造年度)の新鮮な喜びを、五感すべてで愉しむことができます。


おすすめペアリング:甘味と酸味を加速させる

濃厚なりんご感と苦味の余韻には、少しスパイスやコクのある料理が驚くほど合います。

  • ブルーチーズ(ハチミツ添え)チーズの塩気とお酒の甘みが、まるで高級なデザートのようなマリアージュを生みます。
  • タンドリーチキンスパイスの刺激を、お酒のフルーティーな甘みが優しく包み込みます。
  • 酢豚(パイナップル入り)料理の甘酸っぱさと、お酒の「りんご感」が完璧に同調。脂分をアルコール感がスッキリと流します。

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