【日本酒レビュー】大盃 DEAD STOCK 2012by:10余年の眠りから覚めた「備前雄町」の静かなる衝撃

群馬県最古の歴史を誇る牧野酒造より、時を止めたかのような驚愕の一本が届きました。

「大盃(おおさかずき) DEAD STOCK 2012by 純米吟醸 備前雄町」

2012年醸造(2012BY)の純米吟醸が、蔵の奥底で「デッドストック」として眠り続けていた、まさに奇跡のバックヴィンテージ。雄町の力強さと、歳月がもたらした複雑味が織りなす、唯一無二のテイスティング・エクスペリエンスを記録します。


【テイスティングレポート】洗練された「枯れ」と、力強い「芯」の共存

10年以上の時を経たお酒でありながら、決して重すぎない。その緻密なバランスを分析します。

  • アロマ(香り)熟成酒にありがちな強いナッツや醤油のような香調(老香)は控えめ。ドライフルーツや、わずかにビターキャラメルを思わせる落ち着いた香りが、静かに立ち上がります。
  • フレーバー(味わい)意外なほどにスッキリとした口当たりから始まります。雄町らしい豊潤なボディー感は健在ですが、長い年月によって角が取れ、微かな甘味が上品に広がります。熟成酒としての厚みと、純米吟醸としての透明感が同居しています。
  • フィニッシュ(余韻)後半にかけて、苦味の余韻と17度のアルコール感が力強く押し寄せます。この苦味がキレを生み、長期熟成による複雑な旨味を美しく完結させています。

【プロダクト詳細(スペック)】

項目内容
銘柄大盃 DEAD STOCK 2012by 純米吟醸
蔵元牧野酒造(群馬県高崎市)
原料米備前雄町
精米歩合55%
アルコール度数17度
醸造年度2012BY(平成24年度)

【蔵元・技術解説】牧野酒造が守り抜いた「雄町」の熟成美

「大盃」を醸す牧野酒造は、榛名山の麓で清冽な水を用いた酒造りを続けています。このデッドストックには、意図した熟成だけでは得られない「偶然と必然」の価値があります。

  1. 「酒米の祖」備前雄町の底力熟成に耐えうる強い骨格を持つ「備前雄町」を55%まで磨き上げたことで、10年以上の歳月を経ても崩れることなく、むしろ奥行きのある味わいへと進化を遂げました。
  2. 氷温に近い安定した貯蔵環境デッドストックとして存在し得たのは、蔵内の安定した環境があってこそ。過度な酸化を免れ、生原酒とは異なる「落ち着き」と「スッキリ感」を両立させています。
  3. 17度という高アルコール設計の功功17度という高めのアルコール分が天然の防腐剤的な役割を果たし、熟成の過程で旨味成分を凝縮。フィニッシュに感じるアルコール感が、熟成による複雑味をダレさせず、一本芯の通った味わいに仕上げています。

【孤高のペアリング】時の重なりを愉しむ、深い味わいの肴

熟成による苦味と旨味をさらに引き立てる、濃厚な組み合わせを提案します。

  • 鯖の味噌煮(山椒を強めに)味噌のコクがお酒の熟成感と合い、山椒の刺激がお酒の苦味とアルコール感に絶妙にマッチします。
  • ドライフィグ(イチジク)とブルーチーズドライフルーツの濃縮した甘味が、お酒に潜む微かな甘味を呼び覚まし、ブルーチーズの塩味が余韻の苦味をより深く引き立てます。

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