我論 GARON typeB【富山県 若鶴酒造】

【日本酒レビュー】常識を覆す甘酸っぱさ。富山の「我論 GARON typeB」が提案する新しい酒の形

今回は、富山県砺波市から若鶴酒造の意欲作**「我論(がろん) GARON typeB」**をご紹介します。
若鶴酒造といえば、日本酒「苗加屋(のうかや)」だけでなく、北陸最古のウイスキー蒸留所「三郎丸蒸留所」を持つことでも知られる実力派。そんな老舗が「現代の食事に合う低アルコール酒」を自問自答して生み出したのが、この「我論」シリーズです。

*味わい:ジューシーな酸と甘味の協奏曲
口に含んだ瞬間、従来の日本酒のイメージが良い意味で裏切られました。
* ファーストインパクト: まるで果実のような厚みのある酸味と甘味が飛び込んできます。数値的にも酸度は非常に高いはずですが、甘味がそれを包み込んでいます。
* フレーバー: 中盤から**「乳酸感」**が顔を出し、ヨーグルトやカルピスを思わせるジューシーな味わい。
* 余韻: 単に甘いだけでなく、最後に感じる苦味の余韻としっかりとした旨味が、味わいの輪郭をキュッと引き締めています。
アルコール13度とは思えない「味の密度」があり、非常に満足感の高い一本です。

スペック詳細
銘柄名:我論 GARON typeB
酒蔵:若鶴酒造(富山県)
原料米:富山県産 雄山錦 100%
精米歩合:55%
アルコール分:13度
仕様:生酛(きもと)、一回火入れ

このお酒の「ここ」が凄い!深掘り解説
テイスティングノートにある「厚みのある酸」や「旨味」の正体を、スペックから紐解きます。
1. 酒蔵について:若鶴酒造
* 所在地: 富山県砺波市三郎丸
* 創業: 1862年(文久2年)
* 代表銘柄: 「若鶴」、「苗加屋(のうかや)」
創業160年を超える老舗ですが、非常に革新的な蔵です。ウイスキー造りのノウハウも持ち合わせており、伝統を守りつつも新しい酵母や製法に積極的に挑戦する姿勢が、この「我論」にも表れています。
2. 「生酛(きもと)」×「低アル」の妙技
アルコール度数を13度と低く設定すると、通常は味わいが薄く(水っぽく)なりがちです。そこで採用されたのが、伝統的な製法である**「生酛造り」です。
微生物の力を借りて複雑な味わいを生み出す生酛造りにより、低アルコールでありながら、テイスティングノートにある「旨味の後味」**やしっかりとしたボディ感を実現しています。
3. 「富山県産 雄山錦」と特殊な酵母
原料米には、富山県生まれの酒米**「雄山錦(おやまにしき)」を使用。
さらに、この「typeB」の最大の特徴である「厚みのある酸味」は、富山県で開発された「酢イソ系酵母」**由来のものと思われます。この酵母はリンゴ酸などの爽やかな酸を多く生成するため、日本酒離れしたジューシーな果実感を生み出しています。

まとめ:どんな料理に合う?
「甘味・酸味・乳酸感」というキーワードから、和食だけでなく洋食や中華とのペアリングが光ります。
* 酢豚やエビチリなど、甘酢を使った中華料理
* クリームシチューやグラタンなどの乳製品を使った料理
* カプレーゼや生ハムメロン(前菜として)
食中酒としてはもちろん、食事の後半にデザートワイン感覚で楽しむのも面白いかもしれません。富山の伝統と革新が詰まった、まさに「我(おのれ)を論じる」一本でした。

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