【日本酒レビュー】アルコール12度の衝撃。勝山「鴒(れい)」が描く、低アル日本酒の新しい地平

今回は、宮城県仙台市の名門・仙台伊澤家 勝山(かつやま)酒造が醸す、革新的な一本**「勝山(かつやま) 純米吟醸 鴒(れい)」**をご紹介します。


「日本酒はアルコールが高くて飲みづらい」。そんなイメージを軽やかに覆すこのお酒。


アルコール度数は、なんとワイン並みの12度。しかし、単に軽いだけの「低アルコール酒」ではありません。


伊達家御用蔵の誇りをかけ、低アルコールなのに**「圧倒的な厚みとジューシーさ」**を実現した、まさに次世代の日本酒体験がここにありました。

テイスティングノート

味わい:りんごを齧ったような瑞々しさと、リッチな旨味の二重奏
グラスに注ぐと、とろりとした粘性は控えめですが、香りは非常に豊かです。


ファーストインパクト: 口に含んだ瞬間、芳醇な酸味と甘味が広がります。12度という軽さを感じさせない、密度のあるアタックです。


フレーバー: 鼻に抜ける香りは、蜜の乗った**「りんご感」**やマスクメロンのような高貴な果実味。非常に華やかで、まるで高級な白ワインを飲んでいるかのような錯覚に陥ります。


余韻: 特筆すべきは**「厚みのある旨味」**。通常、低アルコールにすると水っぽくなりがちですが、このお酒は旨味のエキス分が凝縮されており、ジューシーな満足感が長く続きます。


「軽いのに、濃い」。この矛盾する要素が同居する不思議な感覚は、勝山でしか味わえません。

スペック詳細

今回頂いたボトルのデータはこちらです。

銘柄名:勝山 純米吟醸 鴒(れい)
酒蔵:仙台伊澤家 勝山酒造(宮城県・仙台市)
原料米:ひとめぼれ 100%
精米歩合:55%
アルコール分:12度(原酒)
特定名称:純米吟醸酒
原材料:米(国産)、米麹(国産米)

このお酒の「ここ」が凄い!深掘り解説

なぜ「鴒」は低アルコールでも美味しいのか? その秘密と、蔵元のこだわりを深掘りします。


1. 伊達家御用蔵「勝山酒造」の美学
勝山酒造は、江戸時代から仙台藩伊達家の御用蔵として酒を醸してきた、300年以上の歴史を持つ超名門です。
現在は、すべての商品を「純米系」に絞り、週にタンク一本という贅沢な造りを行っています。その哲学は**「酒屋万流(さかやばんりゅう)」ではなく、料理を引き立てるための「モダンな食中酒」**の追求。特にフレンチやイタリアンとのペアリングを意識した酒造りは、世界中から高い評価を受けています。


2. 「12度原酒」への挑戦
このお酒の最大のトピックは、加水(水で薄めること)をしていない**「原酒」でありながらアルコール12度**を実現している点です。
通常、原酒は16〜18度になりますが、勝山独自の醸造技術により、発酵をコントロールして12度で仕上げています。
水で薄めていないため、味わいの骨格やエキス分がそのまま残り、テイスティングで感じた「厚みのある旨味」や「ジューシーさ」が生まれるのです。


3. 食用米「ひとめぼれ」のポテンシャル
使用米は、宮城県を代表する食用米**「ひとめぼれ」。
酒造好適米(山田錦など)に比べてタンパク質が多く、雑味が出やすいと言われますが、勝山はその特性を逆手に取り、「ふくよかな旨味(アミノ酸)」**として酒質に昇華させています。
この豊かな旨味が、肉料理などの濃厚な味付けにも負けないボディ感を作っています。

まとめ:どんな料理に合う?

蔵元が推奨している通り、和食だけでなく、ソースを使った洋食や肉料理と合わせるのがベストです。


* ローストビーフ(肉の旨味とお酒の甘味が完璧にマッチします)
* 豚肉のソテー アップルソース添え(リンゴ感との同調)
* フォアグラやレバーペースト
* デザート(フルーツタルトやチーズケーキ)


ワイングラスで飲むことで、リンゴやメロンのような香りがより一層開きます。


「日本酒は強くて酔っ払うから苦手」という方にこそ飲んでほしい、優雅でリッチな一本。特別な日のディナーや、プレゼントにも最適です。

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