【日本酒レビュー】日本酒?いいえ、これは”父なるライン”。岐阜「津島屋 外伝」が奏でるドイツワインのような酸と泡

今回は、岐阜県美濃加茂市の御代桜(みよざくら)醸造から、名前も中身も規格外な一本**「津島屋(つしまや) 外伝 特別純米酒 der Vater Rhein(ファーター・ライン) Perlwein(パールワイン) 2025」**をご紹介します。


ラベルに書かれたドイツ語**「der Vater Rhein(父なるライン河)」。そして「Perlwein(微発泡酒)」**。


一見するとワインのようですが、これは正真正銘の日本酒です。日本酒の枠を飛び越え、ドイツの白ワイン(リースリング)へのオマージュとして造られた、津島屋の意欲的な「外伝」シリーズ。その正体を探ります。

テイスティングノート

味わい:鋭角な酸とガスが織りなす、和製リースリング
グラスに注ぐと、内側には細かな気泡がつきます。口に含んだ瞬間の衝撃は、まさにドイツワインそのものです。


* ファーストインパクト: 特徴的なのは独特な乳酸感。ヨーグルトの上澄み(ホエイ)や、カルピスソーダのような甘酸っぱいニュアンスを感じます。


* フレーバー: そこに重なるのは、細かなガス感と、舌の両脇を刺激する鋭い酸味。レモンやライムを思わせる柑橘系の酸が鮮烈です。


* 余韻: アルコール11度という軽さもあり、最後は驚くほどキレのある後味でドライに消えていきます。


日本酒特有の「米の甘み」よりも、「酸とミネラル」が前面に出た、非常にモダンで爽快な味わいです。

スペック詳細

今回頂いたボトルのデータはこちらです。

銘柄名:津島屋 外伝 der Vater Rhein Perlwein 2025
酒蔵:御代桜醸造(岐阜県)
原料米:長野県産 美山錦 100%
精米歩合:60%
アルコール分:11度(原酒)
仕様:特別純米酒、瓶内二次発酵(微発泡)
原材料:米(国産)、米麹(国産米)

このお酒の「ここ」が凄い!深掘り解説

なぜ岐阜の酒蔵がドイツ語の酒を? その背景にある技術と遊び心を解説します。


1. 酒蔵について:御代桜醸造
* 所在地: 岐阜県美濃加茂市
* 創業: 1893年(明治26年)
* 代表銘柄: 「津島屋(つしまや)」、「御代桜」
木曽川のほとりにある老舗蔵です。代表銘柄の「津島屋」は、酒米の個性を素直に表現する透明感のある酒質で人気ですが、今回の「外伝」シリーズでは、杜氏の遊び心や実験的な試みを存分に発揮しています。


2. コンセプトは「ドイツの白ワイン」
商品名の「der Vater Rhein」は、ドイツワインの聖地であるライン河(父なるライン)への敬意を表しています。
目指したのは、ドイツの高級白ワイン品種「リースリング」のような、低アルコールで酸が効いた味わい。
甘口の白ワインのようなキャッチーさがありながら、日本酒としてのアイデンティティも保つ。このバランス感覚が絶妙です。


3. 驚異の「11度原酒」
このお酒の凄いところは、加水(水で薄めること)をせずにアルコール分11度で仕上げている点です。
通常、日本酒の原酒は16〜18度になりますが、発酵を途中で止めるなどの高度な技術により、11度という低アルコールを実現しています。
原酒だからこそ味が薄くならず、テイスティングノートにある「独特な乳酸感」や骨格がしっかり残るのです。

まとめ:どんな料理に合う?

「鋭い酸味」と「ガス感」は、和食よりも洋食、特に酸味のある料理と相性が抜群です。


* ソーセージとザワークラウト(ドイツ繋がりで相性完璧です!)
* 魚介のマリネやカルパッチョ
* 酢豚や南蛮漬け
* ベトナム料理などのエスニック(酸っぱ辛い料理に合います)


日本酒グラスよりも、ぜひワイングラスで飲んでみてください。


「これ、本当に日本酒?」と会話が弾むこと間違いなし。アルコールが低いので、休日のランチタイムや、翌日にお酒を残したくない夜にも最適な一本です。

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