【日本酒レビュー】開栓注意の爆発酒!新潟「越弌 Jango-F」の激しすぎるガスと酸
今回は、新潟県新潟市の越後鶴亀から、取扱店限定の超・問題作(!?)**「越弌(こしいつ) Jango-F 純米吟醸 ふくはら酒店頒布会別注品」**をご紹介します。
「越後鶴亀」といえば、皇室献上の実績もある伝統的でめでたいお酒のイメージですが、この「越弌(こしいち)」シリーズは横田杜氏が情熱を注ぎ込む、アグレッシブな挑戦酒。
特に今回の別注品は、**「蓋が吹き飛び溢れる」**ほどの元気良さ。開栓の儀式からスリリングな一本をレポートします。
味わい:まるで大人のグレープフルーツソーダ
開栓時は本当に要注意です。凄まじい内圧で蓋が飛び、お酒が溢れ出しました(※ボウル必須!)。なんとかグラスに注いで飲んでみると……
* ファーストインパクト: 口の中で暴れまわるような、激しいガス感。発泡の強さはスパークリングワイン並みかそれ以上です。
* フレーバー: 弾ける泡とともに、「強めの酸味」が鮮烈に広がります。その香りと味わいは、日本酒というより搾りたてのグレープフルーツ。柑橘の皮のようなほろ苦さとジューシーさが全開です。
* 余韻: アルコール10度とは思えない凝縮感がありつつ、最後は苦味の余韻でドライにフィニッシュ。
甘いシュワシュワ系かと思いきや、酸と苦味が効いた「激しい」個性派。目が覚めるような一杯です。
スペック詳細
今回頂いたボトルのデータはこちらです。
銘柄名:越弌 Jango-F 純米吟醸 ふくはら酒店頒布会別注品
酒蔵:越後鶴亀(新潟県)
杜氏:横田 伸幸
原料米:五百万石(新潟県産 杜氏栽培米 100%)
精米歩合:60%
アルコール分:10度(おりがらみ生原酒)
仕様:ふくはら酒店頒布会 別注品
このお酒の「ここ」が凄い!深掘り解説
ただの「炭酸が強いお酒」ではありません。その中身には杜氏の凄まじいこだわりが詰まっています。
1. 杜氏自らが育てた米「五百万石」
このお酒に使われている「五百万石」は、なんと横田伸幸杜氏が自ら田んぼに入り、栽培したお米を100%使用しています。
酒造りの責任者が、原料の栽培から一貫して手がける。これ以上ないほどの「作り手の顔が見える酒」です。新潟の風土を知り尽くした杜氏だからこそ出せる、米のポテンシャルがあります。
2. 驚異の「アルコール10度 原酒」
通常、日本酒の原酒(加水していない状態)は16〜18度くらいになりますが、これはなんと10度。
水を足して薄めたわけではなく、発酵のコントロールによって「10度でバランスが取れるように」造られた原酒です。低アルコールながら味が薄くならず、むしろ「激しい」と感じるほどの酸と旨味を持たせる技術力に脱帽です。
3. 「Jango(ジャンゴ)」とは?
越弌シリーズの中でも、特に酸味(Acid)に特化したラインナップに使われる名称です。
今回の「F」は、おそらく販売元である「ふくはら酒店(Fukuhara)」の頭文字、あるいは強烈な酸味を想起させるワードを冠したものと思われます。おりがらみ生原酒による瓶内二次発酵のガス圧が、その酸味をさらにダイナミックに演出しています。
まとめ:どんな料理に合う?
強烈なガスと酸味、そしてグレープフルーツのような苦味は、油を洗い流す効果が抜群です。
* 鶏の唐揚げやフライドポテト(レモンサワー感覚で!)
* スパイシーなタイ料理やインドカレー
* 餃子(酢コショウで食べるような感覚で合います)
食前酒として乾杯のインパクトに使うのも良し、こってり料理の相棒にするも良し。ただし、開栓時の吹きこぼれだけは本当にご注意を!(濡れてもいい場所で、ボウルを受けて開けましょう)









コメントを残す