【日本酒レビュー】山三 純米吟醸:復活の蔵が放つ、兵庫県産山田錦の「バナナ感」と「躍動」

長野県上田市黒坪、かつての北国街道沿いに佇む山三酒造

2015年から続いた休蔵期間を経て、2023年、新たな経営陣と杜氏を迎え、最新の設備と共にリスタートを切りました。

漢字の「山三」ロゴを冠した本作は、蔵の技術力を示すベンチマーク。酒米の王「山田錦」を50%まで磨き上げ、無ろ過生原酒で仕上げた、まさに新生・山三のアイデンティティが爆発する一本です。


 テイスティング:刺激的なガス感から始まる、完熟バナナの物語

口に含んだ瞬間、休蔵期間という「静」から「動」へと切り替わるような、エネルギッシュな躍動感に圧倒されます。

  • ファーストインパクトまずは、驚くほど刺激的なガス感。搾りたてのフレッシュな炭酸ガスが舌の上で弾け、蔵の再始動を祝うファンファーレのように響きます。
  • フレーバー中盤から一気に広がるのは、濃厚なバナナ感。完熟したバナナのような、甘く芳醇な香りが口内を満たし、無ろ過生原酒ならではの濃密な旨味と相まって、非常にジューシーな印象を与えます。
  • フィニッシュ後半は、ガス感が引くとともに、やや苦味の余韻が訪れます。このビターなキレが、15度のしっかりとしたボディ感をタイトに引き締め、甘美な余韻をダレさせることなくフィナーレへと導きます。

 スペック詳細

項目内容
銘柄山三 純米吟醸 山田錦 五割 無ろ過生原酒
蔵元山三酒造(長野県上田市)
杜氏栗原 由貴
原料米兵庫県産 山田錦 100%
精米歩合50%
アルコール度数15度
原材料米(国産)、米麹(国産米)

 ここが凄い!深掘りポイント

1. 杜氏・栗原由貴氏の「挑戦」

裏ラベルに記された杜氏の名。名門・磯自慢酒造(静岡)などで腕を磨いた栗原杜氏が、最新設備を備えた新生・山三で挑むのは、米のポテンシャルを最大限に引き出す酒造り。この強烈なバナナ感とキレの両立は、彼女の技術力の高さを物語っています。

2. 「兵庫県産山田錦×無ろ過生原酒」の破壊力

最高峰の酒米「兵庫県産山田錦」を、あえて加水もろ過も行わない「無ろ過生原酒」で仕上げる。米が持つポテンシャル(旨味・香り)を隠すことなくすべてさらけ出した設計は、復活した蔵の「嘘偽りのない味」を届けたいという自信の表れです。


 おすすめペアリング:濃厚な旨味を受け止める「コク」

バナナのような芳醇な香りと、しっかりとしたボディには、旨味が凝縮された料理や、脂の乗った食材が合います。

  • 豚の角煮(八角を効かせて)豚の脂と甘辛いタレが、お酒の濃厚なバナナ感と同調。八角の香りが、お酒の複雑味を引き立てます。
  • フォアグラのポワレ(バルサミコソース)フォアグラの濃厚なコクに負けないボディ感。バルサミコの酸と苦味が、お酒の余韻をスッキリと切ります。
  • 完熟チーズ(白カビやウォッシュ系)チーズのクリーミーさがバナナの香りを柔らかく包み込み、大人のデザートのようなペアリングに。


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