【日本酒レビュー】加賀の誇り、福光屋「碧龍」。晩酌に寄り添う”ちょうどいい”リンゴ感と抜群のキレ

今夜の「孤高の晩酌」は、石川県金沢市で最も長い歴史を持つ蔵元、**福光屋(ふくみつや)「純米吟醸造り 碧龍(へきりゅう)」**をいただきます。

福光屋といえば「加賀鳶」や「黒帯」といった銘柄で知られる、全量純米造りの名門。その中でもこの「碧龍」は、伝統的な酒造りの技術を現代的なセンスでまとめた、まさに「大人の日常」にふさわしい、落ち着きと気品を兼ね備えた一本です。

味わい:静かな入り口から、鮮やかに突き抜けるキレの美学

派手さはないものの、一口ごとにその完成度の高さに気づかされます。

  • ファーストインパクト: 口当たりは滑らかで、仄かな甘味が優しく広がります。決して主張しすぎない、上品な導入部です。
  • フレーバー: 飲み進めると、奥のほうから微かなりんご感が顔を出します。瑞々しい果実のニュアンスが、純米吟醸らしい気品を添えています。
  • 余韻: 後半にかけては、苦味の余韻としっかりとしたアルコール感が立ち上がり、味わいに奥行きを与えます。
  • 後味: フィニッシュは非常に潔く、キレのある後味。石川の酒らしい、食事を邪魔しない「旨い辛口」を体現しています。

「一杯目よりも二杯目、二杯目よりも三杯目」と、飲み飽きることなく、気づけば杯が進んでいる……そんな心地よい魔力を持っています。


スペック詳細

日常の晩酌を支える、質実剛健なスペックです。

項目内容
銘柄名純米吟醸造り 碧龍(へきりゅう)
酒蔵福光屋(石川県・金沢市)
精米歩合60%
アルコール分15度
特定名称純米吟醸酒
原材料米(国産)、米麹(国産米)

このお酒の「ここ」が凄い!深掘り解説

「孤高の晩酌」を豊かにする、福光屋のこだわりを深掘りします。

1. 全量純米蔵「福光屋」のプライド

福光屋は、2001年からすべての酒造りを「純米造り」に切り替えた、日本を代表する純米蔵です。醸造アルコールを一切添加せず、米と水だけでこの「キレ」と「透明感」を生み出す技術は、400年近い歴史の中で磨き上げられた結晶。この「碧龍」にも、その一貫した哲学が息づいています。

2. 「微かなりんご感」を生む酵母と水の調和

金沢の豊かな水(百年水)と、選び抜かれた酵母が奏でる「微かなりんご感」。これが、単なる辛口酒に終わらせない華やかさを演出しています。冷やして飲むことで、このフルーティーな輪郭がより鮮明に浮き上がります。

3. コストパフォーマンスの頂点

これほど丁寧に造られた純米吟醸でありながら、手に取りやすい価格帯で維持されている点も驚きです。特別な日だけでなく、「今日もお疲れ様」と自分に言いたい日常の晩酌に寄り添ってくれる、まさに「家飲みの味方」です。

まとめ:孤高の晩酌、今夜のペアリング

「キレのある後味」と「仄かな果実味」があるため、和食全般はもちろん、少し塩気のある肴がよく合います。

  • お刺身(白身魚やイカ)(繊細な甘みを、碧龍のキレが引き立てます)
  • 加賀揚げ・練り物(少し炙って生姜醤油で。お酒の苦味と好相性)
  • お漬物(浅漬けや、石川らしく蕪の千枚漬けなど)
  • 焼き鳥(塩)

最初は冷酒で、りんごのような爽やかさを楽しみ、少し温度が上がってからは米の旨味を感じながらゆっくり飲む。

一人の夜、静かに自分と向き合う時間に、この「碧龍」の凛とした佇まいは最高の相棒になってくれるはずです。

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