光栄菊 Merry Crescent【佐賀県 光栄菊酒造】

【日本酒レビュー】聖夜を彩る大人のスパークリング!?佐賀「光栄菊 Merry Crescent」

今回は、佐賀県小城市の光栄菊酒造から、この時期だけの特別な一本**「光栄菊(こうえいぎく) Merry Crescent(メリークレセント)」**をご紹介します。


2019年の復活以来、瞬く間に日本酒シーンのトップランナーへと駆け上がった光栄菊。
「Merry Crescent(陽気な三日月)」と名付けられたこのお酒は、クリスマスや年末年始の食卓を明るく照らすような、ポップでジューシーな味わいが魅力です。


味わい:弾けるガスと、甘酸っぱい「大人のカルピスソーダ」
グラスに注ぐと、シュワシュワと泡立つ様子が目に見えます。
* ファーストインパクト: 口に含んだ瞬間に刺激的なガス感が弾けます。シャンパンのようなきめ細かい泡というよりは、元気な微発泡感。
* フレーバー: 味わいは非常にキャッチー。**「乳酸感」由来のヨーグルトのような甘酸っぱさと、「グレープフルーツ」**のような爽やかな柑橘感が混ざり合います。
* 余韻: 単に甘いジュースではありません。最後には苦味の余韻が顔を出し、キレのある後味でドライに終わります。
アルコール度数13度という軽やかさも相まって、大人のための極上なグレープフルーツサワー、あるいは甘くないカルピスソーダのような感覚でスイスイ飲めてしまいます。


スペック詳細
今回頂いたボトルのデータはこちらです。

銘柄名:光栄菊 Merry Crescent
酒蔵:光栄菊酒造(佐賀県)
原料米:雄町 100%
精米歩合:非公開(※例年の傾向)
アルコール分:13度
仕様:無濾過生原酒
原材料:米(国産)、米麹(国産米)

このお酒の「ここ」が凄い!深掘り解説

光栄菊がなぜここまで人気なのか、このお酒の背景にあるストーリーを解説します。


1. 酒蔵について:光栄菊酒造
* 所在地: 佐賀県小城市三日月町
* 創業: 1871年(一度廃業し、2019年に復活)
* 代表銘柄: 「光栄菊(こうえいぎく)」
かつて2006年にその歴史を閉じた酒蔵が、2019年に別の場所から来た有志たちの手によって「復活」を遂げました。
杜氏を務めるのは、「酸味」の魔術師として知られる山本克明氏(元「菊鷹」杜氏)。彼が醸すお酒は、日本酒離れしたジューシーな酸味が特徴で、復活直後から入手困難になるほどの熱狂的なファンを生んでいます。
2. 「雄町」×「13度原酒」の魔法
原料米には、ふくよかな旨味が出る**「雄町(おまち)」を100%使用しています。
通常、雄町のお酒はドッシリとした味わいになりがちですが、これをアルコール13度**の原酒に仕上げることで、雄町の複雑な旨味(苦味や渋味)を残しつつ、軽快な飲み口を実現しています。
テイスティングノートにある「苦味の余韻」や「グレフル感」は、この雄町という米の個性が、山本杜氏の酸味マジックによってモダンに変換された結果と言えるでしょう。
3. 三日月町から届く「Crescent」
商品名の「Crescent(三日月)」は、酒蔵の所在地である「佐賀県小城市三日月町」にちなんでいます。
冬の澄んだ夜空に浮かぶ月を見上げながら飲みたくなる、ロマンチックなネーミングセンスも光栄菊の魅力の一つです。

まとめ:どんな料理に合う?

「乳酸感」と「柑橘系の酸・苦味」があるため、和食だけでなく洋食全般と非常に相性が良いです。
* フライドチキン(クリスマスの定番!油をガスと酸が切ってくれます)
* サーモンのカルパッチョ
* 海老マヨや酢豚などの中華料理
* レアチーズケーキ(デザート酒としても優秀)
日本酒の概念を変えるような「酸とガスの芸術品」。乾杯の一杯として、ワイングラスで楽しむのが特におすすめです。

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