田酒 純米大吟醸 四割五分 改良信交【青森県 西田酒造店】

【日本酒レビュー】青森の至宝「田酒」が醸すレア米の輝き。純米大吟醸 四割五分 改良信交


今回は、日本酒好きなら誰もが知る青森県の銘醸・西田酒造店から、**「田酒 純米大吟醸 四割五分 改良信交」**をご紹介します。
「田酒」といえば「特別純米」が定番ですが、今回頂いたのは年に一度出荷される限定酒。しかも、酒米にはちょっと珍しい「改良信交(かいりょうしんこう)」が使われています。「結構好き」と素直に頷ける、その実力を紐解いていきましょう。


* 味わい:濃醇なパイン感と大人の余韻
グラスから立ち上る香り、そして口に含んだ瞬間のインパクトは、まさに「濃醇」の一言。
* ファーストインパクト: まず感じるのは、厚みのある甘味と酸味。ボディがしっかりとしており、飲みごたえがあります。
* フレーバー: 口の中で広がると、**「濃いめのパイン感」**とも言える南国フルーツのようなジューシーな香味が鼻に抜けます。
* 余韻: 後半は甘いだけでは終わりません。強めの苦味とアルコール感がグッと押し寄せ、全体を力強く引き締めます。
華やかでありながら、最後はズバッと切れる。この媚びない骨太な味わい、個人的にかなり好みのタイプです。


スペック詳細
今回頂いたボトルのデータはこちらです。
銘柄名:田酒 純米大吟醸 四割五分 改良信交
酒蔵:西田酒造店(青森県)
原料米:改良信交 100%
精米歩合:45%
アルコール分:16度
特定名称:純米大吟醸酒


このお酒の「ここ」が凄い!深掘り解説
単なる「美味しいお酒」で終わらせないための、語りたくなる背景情報をまとめました。
1. 酒蔵について:西田酒造店
* 所在地: 青森県青森市油川
* 創業: 1878年(明治11年)
* 代表銘柄: 「田酒(でんしゅ)」、「喜久泉(きくいずみ)」
「日本の田んぼを守る酒」という思いが込められた「田酒」。昭和49年の発売以来、純米酒ブームの火付け役として君臨し続けるレジェンド的な酒蔵です。醸造用アルコールを一切添加しない「純米酒」へのこだわりは、今も多くのファンを魅了しています。
2. 幻の酒米!?「改良信交」とは
このお酒の主役は、原料米である**「改良信交(かいりょうしんこう)」**です。
山田錦や五百万石に比べると聞き馴染みがないかもしれませんが、実はこれ、長野県生まれの酒米「美山錦」の父親にあたる品種です。
昭和30年代に秋田県で生まれましたが、栽培の難しさなどから一度は姿を消しかけた希少米。これを西田酒造店が高い技術で醸すことで、特有の滑らかさと野性味のある旨味を引き出しています。このお酒の「厚み」や「苦味の余韻」は、この米の個性が存分に活かされている証拠です。
3. 「四割五分」=精米歩合45%
商品名の「四割五分」は精米歩合45%を意味します。
50%磨けば「純米大吟醸」を名乗れますが、そこからさらに5%磨き込んでいます。雑味を削ぎ落としつつも、米の旨味をしっかり残す絶妙な精米歩合。華やかな吟醸香と、田酒らしい米の旨味のバランスを追求したスペックと言えます。


まとめ:どんな料理に合う?
「濃いパイン感」と「強めの苦味・アルコール感」を持つパワフルな一本なので、お酒の強さに負けない料理がおすすめです。
* 豚肉の味噌漬け焼き
* ウニやイクラなどの濃厚な魚介類
* 鴨のロースト
* チーズの盛り合わせ(特にウォッシュチーズなど癖のあるもの)
繊細な前菜よりも、メインディッシュと渡り合える力強さがあります。青森の風土と、希少米の個性がぶつかり合った一本、見かけたら即確保をおすすめします。

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