今回は、青森県青森市の名門・西田酒造店が誇る、日本酒界の不朽のスタンダード**「田酒(でんしゅ) 特別純米酒」**をご紹介します。
ご存知の方も多いと思いますが、このお酒には並々ならぬ「覚悟」が込められています。
昭和49年の発売以来、流行に流されず「米の味がする本物の酒」を追求し続けてきた田酒。その哲学が凝縮されたこの一本を、改めてじっくりと味わいます。
テイスティングノート
* 味わい:派手さを捨てた先に残る、圧倒的な「米の旨み」
グラスに注ぐと、穏やかながらも芯のある香りが漂います。
* ファーストインパクト: 口に含んだ瞬間、これぞ田酒!と唸りたくなる**「米の旨み」**が広がります。派手な吟醸香ではなく、噛み締めたご飯のような、ふくよかで安心感のある味わいです。
* フレーバー: 奥の方から**「微かなマスカットや青リンゴ」**のような爽やかさが顔を出しますが、あくまで主役は「米」。旨口でありながら重たさを感じさせません。
* 余韻: 最後はスパッと切れる潔い後味。飲み飽きしない(飲み疲れしない)バランスの良さは、食中酒として完成されています。
「日本の田んぼ」を感じさせる、力強くも優しい味わいです。
スペック詳細
今回頂いたボトルのデータはこちらです。
銘柄名:田酒 特別純米酒
酒蔵:西田酒造店(青森県)
原料米:青森県産 華吹雪(はなふぶき) 100%
精米歩合:55%
アルコール分:16度
特定名称:特別純米酒
原材料:米(国産)、米こうじ(国産米)
このお酒の「ここ」が凄い!深掘り解説
このお酒には「田酒」という名の由来と歴史が詰まっています。
1. 「田酒」という名の矜持
> 田の酒と書いて「でんしゅ」と読みます。「田」はもちろん、酒の元となる米が獲れる田んぼを意味し、名前の通り、日本の田以外の生産物である醸造用アルコール、醸造用糖類は一切使用していないことを力強く主張した、米の旨みが生きる旨口の純米酒です。
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今でこそ「純米酒」は一般的ですが、昭和40年代当時はアルコール添加酒が全盛の時代。その中で「混ぜ物をしない、米だけの酒」を造ることは、大変な挑戦でした。
ラベルの力強い筆文字には、**「日本の田んぼを守る」**という蔵元の決意が込められています。
2. 3年を費やした「本物の酒」への回帰
> 「日本酒の原点に帰り、風格ある本物の酒を造りたい」という一念で、昭和45年に昔ながらの完全な手造りによる純米酒の醸造に着手。その後、商品化までに3ヶ年を費やし、発売は昭和49年10月1日でした。
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構想から発売まで、実に3年以上の歳月をかけて完成したのがこの「特別純米酒」です。
発売から50年以上経った今でも、その製法と精神は変わらず受け継がれています。流行りのフルーティーな酒とは一線を画す、時代を超えた「風格」がこのお酒にはあります。
3. 青森の酒米「華吹雪(はなふぶき)」
このお酒の味わいを支えているのが、地元・青森県産の酒造好適米**「華吹雪」**です。
旨味成分が多く、お酒にするとコクが出やすいこの米を55%まで磨くことで、田酒特有の「どっしりとした旨味」と「綺麗なキレ」の両立を実現しています。
まとめ:どんな料理に合う?
「米の旨み」がしっかりしているため、ご飯に合うおかずなら何でも合います。
* ホタテの貝焼き味噌(青森の郷土料理との相性は言わずもがな!)
* マグロの刺身(赤身の鉄分や酸味と合います)
* 豚肉の生姜焼き
* 焼き鳥(タレ)
冷酒でキリッと飲むのも良いですが、ぬる燗にすると米の甘みがさらに膨らみ、田酒の真骨頂を楽しめます。
迷った時は原点へ。日本酒の良さを再確認させてくれる名酒です。









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