今回は、福島県二本松市の名門・大七(だいしち)酒造から、冬限定の搾りたて**「大七 雪しぼり 本醸造生原酒」**をご紹介します。
「大七」といえば、伝統的な「生酛(きもと)造り」と、しっかり熟成させた燗酒向きのお酒というイメージが強いですが、この「雪しぼり」は別格。
大七では珍しいフレッシュな新酒でありながら、アルコール18度の原酒というパワフルさ。そして「本醸造」と侮ることなかれ、そこには驚くべき技術とこだわりが詰まっていました。
テイスティングノート
* 味わい:熟れたメロンの誘惑と、18度のパンチ力
グラスに注ぐと、新酒らしい若々しさと、原酒のとろみが同居しています。
* ファーストインパクト: 口当たりは仄かに甘いメロン感。フレッシュなだけでなく、蜜の乗った熟メロンのような濃厚なコクを感じます。
* フレーバー: 生酛由来の複雑な旨味が広がりつつ、本醸造ならではのキレも健在。
* 余韻: 後半はガツンとくるアルコール感と、苦味の余韻が全体を引き締め、飲みごたえは抜群。
「甘くて飲みやすい」だけの新酒とは一線を画す、骨太でリッチな味わいです。
スペック詳細
今回頂いたボトルのデータはこちらです。
銘柄名:大七 雪しぼり 本醸造生原酒
酒蔵:大七酒造(福島県)
精米歩合:69%(超扁平精米)
アルコール分:18度
特定名称:本醸造酒(生原酒)
仕様:生酛造り、米アルコール使用
原材料:米(国産)、米麹(国産米)、醸造アルコール(米アルコール)
このお酒の「ここ」が凄い!深掘り解説
なぜ「本醸造」でここまで美味しいのか? その秘密は、大七ならではの超絶技巧にあります。
1. 伝家の宝刀「超扁平精米(ちょうへんぺいせいまい)」
精米歩合69%と聞くと「あまり磨いていないのでは?」と思うかもしれません。しかし、大七の69%は普通の69%とは訳が違います。
**「超扁平精米」**とは、大七酒造がパイオニアとして確立した技術。お米を丸く削るのではなく、お米の形(厚み)に合わせて平たく削ることで、雑味の原因となるタンパク質を徹底的に除去します。
これにより、**69%の精米歩合でも、一般的な50%(大吟醸クラス)に匹敵するほどの「雑味のない酒質」**を実現しています。この技術があるからこそ、米の旨味だけをきれいに抽出できるのです。
2. こだわりの「米アルコール」
原材料名にある「醸造アルコール」。通常はサトウキビ由来のものが一般的ですが、大七では**「米から作ったアルコール」**を使用しています。
これにより、実質的には「お米100%」のお酒となり、アルコール添加特有のピリピリ感がなく、お酒全体の調和とボディ感を高めています。
「本醸造=安酒」という概念を覆す、コスト度外視のこだわりです。
3. 大七唯一の「新酒」
普段は「熟成」を重んじる大七酒造において、この「雪しぼり」は**この時期に唯一蔵出しされる新酒しぼりたて(生酒)**です。
伝統の生酛造りが持つ「力強さ」と、搾りたての「若さ」が融合した味は、冬のこの時期にしか体験できない貴重なものです。
まとめ:どんな料理に合う?
「熟れたメロン感」と「18度のアルコール感・苦味」は、濃厚な冬の味覚と渡り合える強さがあります。
* 生牡蠣(カキ)(「大七×牡蠣」は鉄板の組み合わせです!)
* 牡蠣鍋や土手鍋
* 脂の乗った寒ブリの刺身
* あん肝ポン酢
冷酒でキリッと飲むのも美味しいですが、オン・ザ・ロックにして少し氷を溶かしながら飲むと、メロンのような甘みがより優しく広がり、食中酒としてさらに杯が進みます。
冬の食卓をリッチに彩る、大人のための本醸造です。









コメントを残す