今夜の「孤高の晩酌」は、岡山県浅口市寄島町・嘉美心(かみこころ)酒造の限定品、**「純米吟醸 三季熟成 冬まで待てない冬の月」**を紐解きます。
冬の風物詩として知られる「冬の月」のしぼりたてを、あえて三つの季節(春・夏・秋)を越えてじっくりと寝かせたこの一本。熟成によって研ぎ澄まされたその味わいは、冬を待つ焦燥感さえも愉悦に変えてくれる、完成された「秋の完成形」でした。
「冬の月」らしい甘みを想像して口に含むと、良い意味でその期待を裏切る「進化」を感じます。
「フレッシュな甘さ」から「洗練された酸と苦味」へ。季節を跨いだお酒だけが持つ、時間の奥行きを感じる一杯です。
岡山産の素材にこだわり抜いた、嘉美心酒造の自信作です。
| 項目 | 内容 |
| 銘柄名 | 純米吟醸 三季熟成 冬まで待てない冬の月 |
| 酒蔵 | 嘉美心酒造(岡山県・浅口市) |
| 原料米 | アケボノ(岡山県産米100%使用) |
| 精米歩合 | 麹米50%、掛米58% |
| アルコール分 | 16.5度 |
| 使用酵母 | 岡山白桃酵母 |
| 原材料 | 米(国産)、米麹(国産米) |
「孤高の晩酌」をより深く愉しむために、嘉美心のこだわりを深掘りします。
嘉美心酒造は「身も心も清らかにして、美味しいお酒を醸したい」という願いを込めて命名された蔵元。岡山県産の「アケボノ」という飯米としても親しまれるお米を使い、お米本来の持つポテンシャルを最大限に引き出す「旨口」の造りに定評があります。
このお酒の個性を決定づけているのが、岡山県特産の白桃から分離された**「岡山白桃酵母」**です。この酵母が、テイスティングで感じたりんごのような爽やかさと、白桃を思わせる柔らかな香りを生み出しています。熟成を経ることで、その華やかさが落ち着きのある「上品な気品」へと昇華しています。
「冬の月」は通常、しぼりたてのフレッシュな状態で楽しむものですが、あえて氷温で三季(春・夏・秋)を過ごさせることで、成分が円熟し、酸味の質が変化します。この「鋭い酸味」は、時間が作り出した天然のスパイス。冬のしぼりたてでは味わえない、この時期だけの限定的な表情です。
酸が立っているため、少しオイリーな料理や、旨味の強い発酵食品と合わせるのが「通」な愉しみ方です。
少し大ぶりのグラスで、ゆっくりと温度を上げながら味わってみてください。
冬を待ちわびる気持ちをこの一本に託し、季節の移ろいを舌で感じる。それこそが、家飲み派に許された「贅沢な孤独」の極みです。