【日本酒レビュー】今年の新酒第一弾!岐阜「小左衛門 初のしぼり」が告げる冬の到来
今回は、岐阜県瑞浪市の銘醸・中島醸造から、待望の新酒**「小左衛門(こざえもん) 純米吟醸 初のしぼり」**をご紹介します。
ラベルにある「7BY」の文字。これは令和7醸造年度(2025-2026年シーズン)のお酒であることを意味します。つまり、できたてほやほやの新酒!
フレッシュでジューシー、まさに「生まれたて」の味わいを早速レビューしていきます。
* 味わい:若いバナナのような果実感と、鮮烈な苦味
グラスに注ぐと、新酒らしい若々しい香りが立ち上ります。
* ファーストインパクト: 口当たりは非常に爽やか。ガス感まではいきませんが、ピチピチとしたフレッシュさを感じます。
* フレーバー: 口の中で膨らむのは、「若いバナナ」のような果実味。完熟手前の青さを残したバナナや、少しメロンのようなニュアンスもあり、非常にジューシーです。
* 余韻: 後半にかけて、強めの苦味がグッと現れます。この苦味が甘味を断ち切り、全体をシャープに引き締めてくれます。
単に甘いだけでなく、新酒特有の「荒々しさ」や「苦味」が良いアクセントになっており、飲み飽きしない構成です。
スペック詳細
銘柄名:小左衛門 純米吟醸 初のしぼり
酒蔵:中島醸造(岐阜県)
原料米:出羽燦々(58%)、あさひの夢(42%)
精米歩合:60%
アルコール分:15.5度
醸造年度:7BY(令和7醸造年度)
原材料:米(国産)、米麹(国産米)
このお酒の「ここ」が凄い!深掘り解説
「初のしぼり」の魅力をより深く楽しむためのポイントをまとめました。
1. 酒蔵について:中島醸造
* 所在地: 岐阜県瑞浪市土岐町
* 創業: 1702年(元禄15年)
* 代表銘柄: 「小左衛門(こざえもん)」、「始禄(しろく)」
創業はなんと赤穂浪士の討ち入りと同じ年という、300年以上の歴史を持つ老舗です。しかし、代表銘柄の「小左衛門」は2001年に立ち上げられた比較的新しいブランド。「食事の中で楽しめる旨い酒」をテーマに、伝統にとらわれない柔軟な酒造りで全国にファンを広げています。
2. 絶妙なブレンド:「出羽燦々」×「あさひの夢」
原料米の組み合わせが非常にユニークです。
* 出羽燦々(でわさんさん): 山形県産の酒造好適米。柔らかくてキレの良い、綺麗な酒質を生み出します。
* あさひの夢: こちらは主に一般食用米として流通している品種です。
酒米の王道「出羽燦々」で吟醸らしい香りと透明感を出しつつ、あえて食用米の「あさひの夢」をブレンドすることで、コストパフォーマンスを抑えながら、親しみやすい旨味やボディ感を演出しています。この巧みなブレンド技術も小左衛門の真骨頂です。
3. 「苦味」は新酒の証
テイスティングで感じた「強めの苦味」は、搾りたての新酒(特に「あらばしり」に近い部分など)によく見られる特徴です。
日が経つにつれてこの苦味は円くなっていきますが、この時期にしか味わえない「若さ」や「硬さ」として楽しむのが、新酒シーズンの醍醐味と言えるでしょう。
まとめ:どんな料理に合う?
ジューシーな甘味と、しっかりとした苦味があるため、脂の乗った料理や、冬の味覚との相性が抜群です。
* 鰤(ブリ)の照り焼きや刺身
* 牡蠣のオイル漬け
* 豚肉と白菜のミルフィーユ鍋(ポン酢で)
* 春菊の天ぷら(苦味×苦味のペアリング)
この時期だけのフレッシュな「小左衛門」、見かけたらぜひ旬の味覚と合わせてみてください。









コメントを残す