【日本酒レビュー】70%精米の常識を覆す!まんさくの花「巡米70 -秋の精-」で楽しむ、米の違いを巡る旅


今回は、秋田県横手市の名門・日の丸醸造が手がける、日本酒ファンにはたまらない実験的シリーズ**「まんさくの花 巡米(めぐりまい)70 -秋の精-」**をご紹介します。


「同じ精米歩合(70%)で、お米だけを変えたら味はどう変わるのか?」
そんな知的好奇心をくすぐるこのシリーズ。


あえてお米を削らない「低精白(70%)」でありながら、吟醸酒顔負けの**「スッキリとしたリンゴ感」**を実現している点に、日の丸醸造の底知れない技術力を感じました。

テイスティングノート

味わい:低精白とは思えない透明感。リンゴの香りとビターなキレ
グラスに注ぐと、70%精米とは思えないほど澄んだ香りが立ち上ります。


ファーストインパクト: 口に含んだ瞬間、スッキリとしたリンゴ感が広がります。雑味や重さはなく、驚くほどクリアでフルーティーな入り口です。


フレーバー: 飲み進めると、仄かな酸味が顔を出し、味わいに立体感を与えます。甘み一辺倒ではなく、シャープな輪郭があります。


余韻: 最後は苦味の余韻と、原酒ならではのガツンとしたアルコール感が全体を引き締め、スパッと切れていきます。


「香りは綺麗なのに、後味は飲みごたえがある」。食中酒として理想的なバランスです。

スペック詳細

今回頂いたボトルのデータはこちらです。
ラベルに「純アルコール量」の記載があるのも、今の時代に合わせた誠実な造りを感じさせます。

銘柄名:まんさくの花 巡米70 -秋の精-
酒蔵:日の丸醸造(秋田県・横手市)
原料米:秋田県産 秋の精 100%
精米歩合:70%
アルコール分:16度
純アルコール量:92.16g(720mlあたり)
特定名称:純米酒
仕様:一度火入れ原酒
原材料:米(国産)、米麹(国産米)

このお酒の「ここ」が凄い!深掘り解説

なぜ「巡米70」シリーズが面白いのか、そして「秋の精」というお米の特徴について解説します。


1. 「巡米(めぐりまい)70」という冒険
このシリーズのコンセプトは、**「お米の違いを楽しむ」こと。
通常、大吟醸などは50%以下まで米を磨きますが、このシリーズはあえて「70%」に統一しています。米をあまり削らない分、原料米の個性がダイレクトに味に反映されるからです。
「山田錦」「雄町」「愛山」など様々な品種でリリースされており、飲み比べることで「自分好みのお米」を発見できる、まさに「お米を巡る旅」**のような企画です。


2. 秋田の隠れた名脇役「秋の精(あきのせい)」
今回使用されている**「秋の精」は、1990年代に秋田県で開発された飯米(食べるお米)兼酒米です。
「トヨニシキ」と「美山錦」を親に持ち、実は非常にポテンシャルの高いお米ですが、作付けが難しく、今では使用する蔵が少なくなっている希少品種**です。
美山錦譲りの「スッキリとしたキレ」を持ちつつ、飯米特有の「ふくよかな旨味」も出せるのが特徴。今回のテイスティングノートにある「スッキリ感」と「苦味の余韻」は、このお米の系譜を感じさせます。


3. 「70%精米」で綺麗な酒を造る技術
一般的に、70%精米のお酒は、雑味が多く重たい味になりがちです。
しかし、まんさくの花は、低温でじっくり発酵させる吟醸造りの技術を応用することで、**「低精白なのに綺麗でフルーティー」**という魔法のような酒質を実現しています。
この「価格以上の価値(コスパの良さ)」も、巡米シリーズが愛される理由の一つです。

まとめ:どんな料理に合う?

「スッキリとしたリンゴ感」と「苦味・アルコール感」があるため、淡白な料理よりも、少し油分や塩気のある料理と合わせると、お酒のキレが活きます。


* 焼き鳥(塩・タレ両方OK)(苦味が焦げ目の香ばしさとマッチ!)
* 天ぷら(塩でさっぱりと)
* 豚肉の冷しゃぶサラダ
* 秋田名物・いぶりがっこ(燻製の香りとアルコール感が合います)


〜おすすめの飲み方〜
冷酒でキリッと飲むのが基本ですが、原酒でアルコール16度としっかりしているため、オン・ザ・ロックにするのもおすすめ。氷が溶けて少し度数が下がると、リンゴのような甘みがより優しく感じられます。

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