今回は、千葉県酒々井町の老舗・飯沼本家から、この時期だけの限定酒**「甲子(きのえね) 純米大吟醸 直汲み生原酒」**をご紹介します。
「甲子」といえば、ワイングラスでおいしい日本酒アワードなどで数々の金賞を受賞している、千葉を代表する実力派。
特にこの「直汲み(じかぐみ)」シリーズは、搾ったお酒をタンクに貯蔵せず、そのまま瓶詰めするという、鮮度抜群の贅沢な一本です。
味わい:芳醇なリンゴの蜜と、直汲みならではのパンチ力
口に含んだ瞬間、フレッシュさとリッチな味わいが同時に押し寄せます。
* ファーストインパクト: 第一印象は芳醇な酸味と甘味。ジューシーで厚みがあり、飲みごたえ十分です。
* フレーバー: 鼻に抜ける香りは、甲子らしい**「微かなりんご感」**。完熟リンゴの蜜のような、フルーティーで華やかな吟醸香が心地よいです。
* 余韻: 甘美な香りの後は、苦味の余韻としっかりとしたアルコール感がグッと現れます。
「甘くてフルーティー」なだけで終わらせない、生原酒ならではのパワーとキレ。このコントラストがたまりません。
今回頂いたボトルのデータはこちらです。
銘柄名:甲子 純米大吟醸 直汲み生原酒
酒蔵:飯沼本家(千葉県)
精米歩合:50%
アルコール分:16度
特定名称:純米大吟醸酒
仕様:直汲み、生原酒
原材料:米(国産)、米こうじ(国産米)
「甲子」がなぜここまでフルーティーで美味しいのか、その背景を解説します。
1. 酒蔵について:飯沼本家
* 所在地: 千葉県印旛郡酒々井町(しすいまち)
* 創業: 江戸時代元禄年間(約300年の歴史)
* 代表銘柄: 「甲子(きのえね)」
都心からもアクセスしやすい酒々井町にある、広大な敷地を持つ酒蔵です。敷地内にはカフェやショップ、ギャラリーなどを併設しており、「観光できる酒蔵」としても大人気。
伝統を守りながらも、現代の食卓に合うモダンな酒造りを追求しており、その味わいは「洗練された果実味」に定評があります。
2. 「直汲み(じかぐみ)」とは?
このお酒の最大のウリである「直汲み」。
通常、搾ったお酒は一旦タンクに移されますが、直汲みは**「搾り機の出口から直接瓶詰め」**します。
空気に触れる時間が極端に短いため、搾りたてのフレッシュな風味や炭酸ガスがそのまま閉じ込められます。テイスティングで感じた「苦味」や「アルコール感」のパンチ力は、この製法による鮮度の証です。
3. 甲子の代名詞「りんご感」
「甲子」のお酒は、独自のカプロン酸エチル系(リンゴや洋梨のような香り)の酵母使いが非常に巧みです。
今回の「微かなりんご感」もまさに甲子の真骨頂。純米大吟醸(50%精米)のクリアな酒質に乗って、上品な果実香が楽しめます。
「芳醇な甘味・酸味」と「苦味のキレ」があるため、洋食や少しこってりした料理と合わせると最高です。
* カマンベールチーズのアヒージョ
* 豚肉のソテー(アップルソースやバルサミコ酢で)
* クリームパスタ
* 生春巻き(スイートチリソースで)
リンゴのような香りを活かすため、ぜひワイングラスで飲んでみてください。液面が揺れるたびに華やかな香りが立ち上り、リッチな気分に浸れます。