HIRAN にこまる【長崎県 森酒造場】

 長崎県平戸市にある有限会社 森酒造場のお酒。明治28年(1895年)創業の酒蔵で代表銘柄は「飛鸞」「フィランド」。

 原料米は麹米「山田錦」20%、掛米「にこまる」80%。「麹米」とは米麹の元になる米のことで、「掛米」とは醪(もろみ)を造るときに使われる米のこと。「山田錦」とは、大正12年に兵庫県立農事試験場で「山田穂」を母、「短稈渡船」を父として人工交配により生まれた酒造好適米で「酒米の王」ともいわれる。「にこまる」とは2005年に登録された国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構で育成された品種で酒造好適米ではなく「きぬむすめ」を母、「北陸174号」を父として交配された飯米。

 「生酛造り」のお酒で「生酛造り」とは「酒母を手作業で作る製法」で「酒母」とは蒸した米と水に麹、酵母、乳酸菌を加えたもので「醪(もろみ)」のベースとなるもの。上記の中で天然の乳酸を使った酒母を「生酛」、人口の乳酸を使った酒母を「速醸酛(そくじょうもと)」と呼ぶ。また、似た製造方法に「山廃(やまはい)」と呼ばれるものがあるが、これは「山卸し(やまおろし)」と呼ばれる米や米麹をすり潰す工程を省略したものとで「山卸しを廃した」製法で「山廃」仕込と呼ばれる。

 甘い口当たりから微かなパイン感が広がる。苦味の余韻と飯米だからか米感。13度の割りにアルコール感でキレのある後味。

 原材料名:米(国産)、米麹(国産米)
 原料米:麹米:山田錦20%、掛米:にこまる80%
 アルコール度数:13度(原酒)
 仕様:生酛造り

DRY